消失点はどこにある

心の動いた日から
何度目の満月かしら
うーんそうね今夜はどうも
調子が悪いみたい

描きたいものはあるけれど
一筆めがおろせない
組んだままの腕はやがて
痺れてくるころ

広げたまんま真っ白い画用紙
なぞるばかりの思考回路

消失点はどこにある
そこから全てが始まる
自分の立ち位置目線の先
遠近生み出せ目の前に
道なき道が見えるだろう

そんなに単純じゃないわ
二次元には収まらない
あーだこーだ言ってみたって
ほら今日も日が暮れる
そもそもの欲望さえも
思い出せなくなる前に

消失点をどこに置く
仮でもいいから決めて
ペンを握りインクを垂らし
立体立ち上げてゆけ
名もなき道が見えるだろう

インクで汚れた景色さえ
遠近歪んだ風景さえ
なかったことになるよりは
下手くそなりに描きたい

消失点はどこにある
そこから全てが始まる
飽きる暇もない
そりゃそうだリアルは続いていく
描いた道を進むだけ